「自然」というと、自分以外の草木や海山を思い浮かべる人が多いかと思います。
しかし、それだけではありません。
人間もまた、自然の一部です。
特に子どもは、大人以上に、自然に属しています。
例えば、早寝早起きをお勧めし、子どもの一日の生活リズムを整えましょうと言うのも、それが子どもにとって、自然なことだからです。
子どもたちが、いのちあるものだということを、まず根本に据えて、
そのいのちが健やかに育つのには、どうしたらよいかと、環境を整えました。
園舎の(硅藻土と木を主とする)素材や、丸みを持たせた形も、
「いのちあるもの」を大切にした結果です。
園庭は土で、はだしになっても心地よく、雨上がりにはどろんこ遊びが楽しめます。
庭の木に花が咲き、実が成り、それを味わいます。
土を掘りおこし、種をまき、芽が出る。
そして実った野菜をとり入れ、みんなでいただく。
ウサギに餌をあげ、抱き上げる・・・
こんな体験をとおして、いのちの不思議さ、もろさ、強さ、そして何よりも尊さを知ってほしいと願っています。
幼児期の子どもたちは、大人と違って、外の世界をそのままに吸収しています。
そういう時代だから、人も物も環境を整え、
いのちの共感の中で育っていってほしいと願うのです。